古代の都・藤原京の跡。なかでも都の中心的施設であった藤原宮があった場所。
歴史・概略
- 藤原京(ふじわらきょう)は、持統天皇8年(694年)から和銅3年(710年)にかけて使われた都である。
- 都の規模は5.3km四方あり、これは後の平城京や平安京をしのぐ大きさで、古代最大の都である。さらに、宮や道路、城壁などの都市整備がなされた日本で初めて都城制が敷かれた都となった。
- 都の中心部には宮が置かれ、規模は約1Km四方、東西南北それぞれ3か所ずつ門が設けられていた。
- 当時から藤原京と呼ばれていたわけではなく、あくまで都を区別するためにつけられた学術用語。「日本書紀」には「新益京」とあり、「あらましのみやこ」「あらましきょう」「しんやくのみやこ」「しんやくきょう」などの読みがあてられる。
- 持統天皇4年(690年)に着工、4年後に飛鳥浄御原宮より遷都した。最近ではもっと早くに着工していたともいわれる。
さらに、和銅元年(708年)には元明天皇から遷都の勅が出され、和銅3年(710年)に平城京へ遷都した。そして、和銅4年(711年)には宮が焼亡したとされているが、火事の痕跡は発見されていないらしい。
【日本のおもな首都】
遷都年 | みやこ | 所在地 | 遷都時の天皇 |
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593年(崇峻天皇5年) | 飛鳥京(あすかきょう) | 奈良県 | 推古天皇 |
645年(大化元年) | 難波京(なにわきょう) | 大阪府 | 孝徳天皇 |
655年(斉明天皇元年) | 飛鳥京(あすかきょう) | 奈良県 | 斉明天皇 |
667年(天智天皇6年) | 大津京(おおつきょう) | 滋賀県 | 天智天皇 |
672年(天武天皇元年) | 飛鳥京(あすかきょう) | 奈良県 | 天武天皇 |
694年(持統天皇8年) | 藤原京(ふじわらきょう) | 奈良県 | 持統天皇 |
710年(和銅3年) | 平城京(へいじょうきょう) | 奈良県 | 文武天皇 |
740年(天平12年) | 恭仁京(くにきょう) | 京都府 | 聖武天皇 |
744年(天平16年) | 難波京(なにわきょう) | 大坂府 | 聖武天皇 |
745年(天平17年) | 紫香楽宮(しがらきのみや) | 滋賀県 | 聖武天皇 |
745年(天平17年) | 平城京(へいじょうきょう) | 滋賀県 | 聖武天皇 |
784年(延暦3年) | 長岡京(ながおかきょう) | 京都府 | 桓武天皇 |
794年(延暦13年) | 平安京(へいあんきょう) | 京都府 | 桓武天皇 |
1180年(治承4年) | 福原京(ふくはらきょう) | 兵庫県 | 安徳天皇 |
1180年(治承4年) | 平安京(へいあんきょう) | 京都府 | 安徳天皇 |
1869年(慶応4年) | 東京(とうきょう) | 東京都 | 明治天皇 |
見どころ・おすすめ
- 朝堂院南門跡・朝堂院東門跡・朝堂院西門跡-朝堂院の柱跡などが再現されている。
- 橿原市立藤原京資料室-藤原宮の展示施設。
- 菜の花やコスモス、ハスなど季節ごとに公園内の花が植えられているので、春から秋にかけて様々な花々を楽しむことができる。
史跡情報
地図 |
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【場所】 奈良県橿原市醍醐町/高殿町 【付近の史跡】
[ 南東・約4km ] 飛鳥宮跡(岡本宮・板蓋宮・浄御原宮)
[ 南東・約4km ] 石舞台古墳(蘇我馬子墓)
[ 南・約8km ] 高取城跡
[ 南東・約16km ] 金峯山寺(南朝行宮跡)
[ 北・約17km ] 大和郡山城
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主な施設 |
朝堂院南門跡・朝堂院東門跡・朝堂院西門跡・橿原市立藤原京資料室 |
利用時間 |
常時 【橿原市立藤原京資料室】 9:00 ~ 17:00 |
定休日 |
無休 【橿原市立藤原京資料室】 月曜(祝日の場合、翌日)・年末年始 |
料金 |
無料 |
交通 |
【電車】 ・近鉄電車「畝傍御陵前」駅から約1.5Km ・JR「畝傍」駅から約2Km 【バス】 ・コミュニティバス「橿原市藤原京資料室前」バス停 【マイカー】 ・南阪奈道路「葛城IC」から約8Km ・駐車場あり |