紫香楽宮(しがらきのみや)は、奈良時代聖武天皇(しょうむてんのう)によって造営された都で、この場所には重要な施設である甲賀寺があったとされている。
歴史・概略
- 甲賀寺(こうかでら)は、廬舎那仏(るしゃなぶつ)を建立するために建てられた寺で、大仏の芯柱が立てられるなど造営が進んでいた。しかし、その後の平城京遷都によってこの地での大仏建立は中止され、平城京の地で実現することとなった。
- ここは甲賀寺跡とされる以前、紫香楽宮跡として指定されていた。しかし東大寺の建物配置と似ていることや、山城国分寺跡と同じ型の瓦が出土していることなどから寺院であったと推定され、甲賀寺もしくは近江国分寺の跡と考えられるようになった。
ただ、実際に大仏の建立を行った東大寺と比較して、規模が小さ過ぎるなどの謎が残っており、今後の解明が待たれる。 - 平成14年には、北に2キロほど行った宮町遺跡から紫香楽宮中心部と考えられる遺構が見つかり、紫香楽宮に指定された。
【日本のおもな首都】
遷都年 | みやこ | 所在地 | 遷都時の天皇 |
---|---|---|---|
593年(崇峻天皇5年) | 飛鳥京(あすかきょう) | 奈良県 | 推古天皇 |
645年(大化元年) | 難波京(なにわきょう) | 大阪府 | 孝徳天皇 |
655年(斉明天皇元年) | 飛鳥京(あすかきょう) | 奈良県 | 斉明天皇 |
667年(天智天皇6年) | 大津京(おおつきょう) | 滋賀県 | 天智天皇 |
672年(天武天皇元年) | 飛鳥京(あすかきょう) | 奈良県 | 天武天皇 |
694年(持統天皇8年) | 藤原京(ふじわらきょう) | 奈良県 | 持統天皇 |
710年(和銅3年) | 平城京(へいじょうきょう) | 奈良県 | 文武天皇 |
740年(天平12年) | 恭仁京(くにきょう) | 京都府 | 聖武天皇 |
744年(天平16年) | 難波京(なにわきょう) | 大坂府 | 聖武天皇 |
745年(天平17年) | 紫香楽宮(しがらきのみや) | 滋賀県 | 聖武天皇 |
745年(天平17年) | 平城京(へいじょうきょう) | 滋賀県 | 聖武天皇 |
784年(延暦3年) | 長岡京(ながおかきょう) | 京都府 | 桓武天皇 |
794年(延暦13年) | 平安京(へいあんきょう) | 京都府 | 桓武天皇 |
1180年(治承4年) | 福原京(ふくはらきょう) | 兵庫県 | 安徳天皇 |
1180年(治承4年) | 平安京(へいあんきょう) | 京都府 | 安徳天皇 |
1869年(慶応4年) | 東京(とうきょう) | 東京都 | 明治天皇 |
見どころ・おすすめ
- 土壇・礎石-かなり残されているので当時の様子を想像しながら歩くと面白い。
- この真北2キロほどのところに紫香楽宮跡(宮町遺跡)がある。ほとんど何も残されていないが寄ってみるといい。
史跡情報
地図 |
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【場所】
滋賀県甲賀市信楽町黄瀬 |
主な施設 |
中門跡・金堂跡・講堂跡・僧房跡・鐘楼跡・塔跡・門跡・経楼跡 |
利用時間 |
常時 |
定休日 |
無休 |
料金 |
無料 |
交通 |
【電車】 ・信楽高原鉄道「紫香楽宮跡」駅から約0.6Km 【マイカー】 ・新名神高速「信楽IC」から約1.3Km |